最近、結婚式の新郎衣裳と言えば「タキシード」が多いですよね。
挙式から披露宴、パーティーに至るまで、どこを見ても新郎の衣裳はタキシードであることが目立ちます。
でも、結婚式での新郎衣裳の選択肢には、タキシード以外にもモーニングコートやフロックコート、燕尾服、紋付袴などがあります。どれが正解なのでしょうか?それとも、どれも正解なのでしょうか?
勧められるがまま着るよりも、ご自身でも知っておくと選びやすいでしょう。
また、今回は洋装での挙式に関してお話したいと思いますので、紋付袴は一旦、置いて説明しますね。
正式には結婚式衣裳を着用する時間帯によって違う
実は、意外と知られていないことですが、タキシード、モーニングコートやフロックコート、燕尾服には、正式な着用時間帯があるんです。つまり、結婚式用フォーマルウェアは、本来、着用する時間帯によって着分けるのが正解です。
本来の着用時間帯ごとに着るべきウエアを説明しますね。
午前挙式の新郎衣裳はモーニングコート
午前から始まる挙式には、「モーニングコート」が基本です。
モーニングコートとは名前の通り午前の着用に相応しいフォーマルウエアです。
午後の披露宴の新郎衣裳は燕尾服かタキシード
午後から始まる披露宴では「燕尾服(テールコート)」もしくは「タキシード」になります。
日本のブライダルの始まりは、午前からお昼過ぎまでの挙式に着用するのがモーニングコート、午後3時頃から6時頃までの披露宴に着用するのが、燕尾服(テールコート)もしくはタキシードがドレスコードスタイルとされていました。
オールマイティなフロックコート
フロックコートは18世紀頃に英国紳士の外出着でしたが、現在は、結婚式くらいでしか拝見する機会がなくなってしまったウエアです。本来は、昼間の礼装として扱われていたのですが、ブライダルでは披露宴に着用されるセミイブニングドレスやカクテルドレスにもコーディネイトされるため、時間枠を越えたオールマイティなウエアの位置づけとされています。
着用時間帯別結婚式衣装
午前から昼過ぎまでの挙式:モーニングコート
午後3時頃から6時頃までの披露宴:燕尾服(テールコート)、タキシード
時間帯関係無し:フロックコート
時代とともに変化し続けるブライダルウエア
夜のフォーマルウェアのタキシードですが、昼間の結婚式でも新郎が着ていることもありますよね?
良いのでしょうか?
欧米の人からは、すごく変に見られるかもしれませんが、日本では「そこまでこだわらなくてもいい」というようになっています。宮廷行事など厳格な行事を除いては、夜じゃなくてもタキシードは問題ないとされています。
ここ数年、結婚式のスタイルは時代とともに様変わりし、そのシチュエーションに合わせて新郎衣裳も変化を重ね、ドレスコードによるかしこまった着こなし術よりも「自分たちスタイル」を求める新郎・新婦が増えてきました。
結婚式の衣裳は、新郎の衣裳より新婦の衣裳が先に決まることがほとんどでしょう。
なので、新郎の衣裳は、新婦の衣裳に合わせて決めるのもいいでしょう。
新婦さんの衣裳が伝統的なデザイン、クラシカルなウェディングドレスであれば、横に立つ新郎の衣裳も伝統的にモーニングコートやフロックコートが似合うでしょう。
また、最近ではグローバルな結婚も増えてきています。親族のなかに欧米系の方がいらっしゃるなら、厳格な衣裳のルールに則って、時間帯別に正式な衣裳を選んだほうがいいですね。
とはいえ、結婚式とはあくまでも新郎・新婦のためのものですので、ドレスコードは選択肢のひとつとして覚えておいては如何でしょうか。